六本木ヒルズで小学校入学を目前にした男の子が、回転ドアに挟まれて亡くなってしまった事件があった。これにより回転ドアに関わる問題が色々取り上げられている。
まあ、ここではそれについて細かく取り上げたりはしないが、私は私なりに常々回転ドアの存在に疑問をもっていたのだ。
そもそも、回転ドアでなければならない理由、を明確にもっている建造物は、どれぐらいあるのだろうか。今の所東京ドームぐらいなんじゃないかと、私の頭では思いつけない。あれは、空気圧の差でドームを膨らましているものなので、自動扉のような開けっ放しになってしまう可能性はNGなのである。限りなく常に密閉状態に近い回転ドアこそが相応しい、という理由は非常に理解できる。
しかし、その他の建物はどうなのだろう?
決定的な必要性は無いのではないだろうか?
私がまだ幼稚園生ぐらいだった頃、つまり亡くなった男の子ぐらいの年齢の頃は、怖い物といえば正に回転ドアと下りのエスカレーターだった。
子供には、あのスピードとタイミングは難しい。まるで、大縄跳びの遊びをやっているかの気分で、タイミングを取りながら「せーのと」挟まれないように利用していた記憶がある。
ごく普通に回転ドアに対応できるようになってからは「ああ、私も大人になったな(笑)」と思ったぐらいなのだから、恐怖感はそれなりだったと思う。
そして、バリアフリーと言う観点で考えた時。
最近はまあ広い回転ドアも出てきてはいるが、そもそも車椅子で入るのがスペースとして非常に難しい。さらに、想像でしかないのだが(私自身が車椅子利用者ではないので)、例え車椅子が入るスペースが有ったとしても、あのスピードとタイミングに合せてドアに入るということが、車椅子では難しいのではないかと感じるのだ。
ドアを自分で開けなければいけない手動ドアよりはましなのかもしれないが、その点微妙である。
それでも、回転ドアを選択する理由はなんだろうか?
1つは、電気代が考えられる。
もう1つは、空調の問題。手動のドアはともすれば開きっぱなしになりやすく、外気が流れ込んでくる。それ故に建物内の環境を一定に保つための空調に負荷がかかる。これはまあ、電気代にもまた繋がっていくだろう。
それぐらいしか私には思いつかないのだが、ほかにもっと、何かすごい要因があるなら教えて頂きたい所だ。
六本木ヒルズの事件のおかげで、回転ドアに指摘されている問題と言うのがいろいろ明らかになってきている。そしてそれは、施工の時点から、多少懸念されていた事項であると言うことも分かってきている。そもそも東京とは1996年に回転ドアは危ないと言う答申を出していたらしいし(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040402ic06.htm)。
それでも、回転ドアを設置するのは何故なのだろう?そのメリットこそを、今私は非常に知りたいと思うのだった。