2005/11/26

その記号性に何を見るか

「それは一体何に見えるのか」


ロールシャッハテストにおいては、その発言が心理的な側面を表すとして回答により色々と診断されるわけであるが、果たして「明らかに明確なもの」を別のものに見てしまった場合も、診断方法があるのであろうか。




とある仕事で、「扉」という意味を含む制作プロダクションさんと同席になり、名刺を貰った。制作プロダクションらしい、イラストが配置されている名刺だった。

一瞬、そのイラストに「なぜこのイラストがこの会社の名刺にあるのか」と疑問を持った私だったが、打ち合わせに突入してしまったのもあり、そのまま忘れていた。忘れたまま打合せは延々と過ぎる。数時間が経過した頃、そして既に深夜に突入している時間帯、打合せの方向性がようやく見え始める。

ついにその日の打ち合わせは終焉を迎え、片付けつつ名刺を手帳に挟もうとしてふと再度目を通し、そして会社名とイラストを見比べてようやく私はイラストの意味に気付く。




「あ、この名刺のイラスト、鍵穴なんですね。そっか、扉だから。」
「そうですね、鍵穴です」





ここで、会話を終わらせておけばよかったのだ。
しかし私は言葉を継いでしまった。



「なんで名刺に前方後円墳があるんだろうって不思議だったんですよ」



.........場の一同が沈黙したことは言うまでもない。
※教訓:疲れに任せて思ったことを口に出してはいけません