2014/12/28

イントネーションと世代差とコミュニティ差

同じ「みたか」でも「三鷹」と「見たか」ではイントネーションの違いがある。あえて表記を試みるとしたら「三↑鷹→→」であり、「見↑た↓か↓」のような。あるいは「三鷹(ミソソ)」で「見たか(ソミド)」的な。
古くは「彼氏」を「見たか」的に発音するのがならいだったものを、ギャル達が「三鷹」のように「カレシがぁ~」と発音しているということが取り沙汰されたことがあった。

事程左様に突然イントネーションが気になることがある。

数年前、「見たか」の発音だと思っていた「mixi」が、若者ユーザの間では「三鷹」のように「ミクシィ~」と発音されていて「そうか、世代によって発音が違うのか」などと思ったことがあった。

ただこれは追求していく内に、世代差というより、利用頻度によるものの差のほうが大きかった事に気づいた。より使っている人ほど「三鷹」的平坦な発音をするのだった。使う人ほど発言頻度が多いので、イントネーションの高低差が大きい物から、カロリー少なく話すことができる平坦なイントネーションに移りゆく、ということなのかもしれない。だから、ヘビーユーザーほど平坦な発音になる。だから、世代差よりmixi依存度や利用頻度によるコミュニティ差の方が強くでていた。

思い巡らせてみれば「Google」も、アナウンサーやTVCMは「見たか」のように「グーグゥ!」と発音されているから、そっちが正式な発音なのだろうけれど、実際の日本人ユーザの多くは「ぐーぐる」と「三鷹」的な平坦な発音がなされている。しかも使う人であればあるほど。

さてようやく本題に入るが、先日とある業界の会合で各社挨拶&自己紹介が行われたのだ。そこで正に「三鷹」の発音で「グノシー」と、グノシーの社員の方が挨拶されたのだった。CMでは「見たか」の発音で「グノシー」と言っているのに、実際の社員の方は平坦な発音で「ぐのしぃー」と声に出す。

そのイントネーションの響きを聞いた瞬間私は、スマホニュースアプリどっぷりコミュニティには属していない自分を認識した。ネットオタクを自負していたが、「見たか」と同じように「グノシー」と発音する私は、スマホニュースアプリ界においては外の人であり、またライトユーザーでもあると……。

そしてまた別のニュースアプリの会社の方も、競合であるグノシーのことを平坦に「三鷹」的に「ぐのしぃーさんは」と発音されたので、ますますもって真のスマホニュースアプリユーザー&業界人の発音はそっちであり、自分は外の人である確信したのだった。私もまだまだ、と言うかおそらく既にネットオタクなんて思っていたのは自分だけで、きっと時代に乗り遅れている証拠なのに違いない。
 

※付記
ということをFacebookでゴネゴネ書いていたら、こんなサイトを教えていただいた。なるほど「アクセントの平板化」と呼ぶ現象だったのかと。
http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/kokken_mado/09/04/