必要なのは3つ、「宿と船とイルカガイドの予約」。
宿と船が決まっていなくては島に入れず、イルカガイドが確保できないと海に出られません。
ただし、ネットでちょっと検索してみればわかるのですが、その3つがセットになっているパッケージツアーが沢山あります。
御蔵島の宿&ガイドが主催するツアーもあれば、島外のダイビングショップが主催するものなど、色々です。自分に合いそうなものを選ぶのがいいでしょう。
ところが今回の私は「船と宿だけ先に決まっていて、御蔵島についてから何をするかは自由!」という状態だったため、ガイドだけ個別に選ぶ必要がありました。
というわけで、御蔵島のイルカガイドを決めるべく、御蔵島観光案内書のガイド情報を見たところ……
広瀬、やたら多くね?
この疑問、御蔵島についても私の脳内から去ることはなく、結局現地で「観光案内所のホームページ見てたら、やたらと広瀬さんが多いなと思ったんですけど……」と聞きました。
聞きましたとも。
気になるもん。
で、判明したのは「御蔵島の半分は広瀬さん、次に多いのが栗本さん、徳山さん。あと井上さんと西川さんと小林さんが1組づついて、それ以外の苗字の人はみんな外から最近来た人」ということでした。
そして、広瀬さんがやたらと多くなってしまったのは「本州からの移住者が増えたタイミングで、広瀬が2家族いたので、婚姻を重ねる中で自然と増えてしまった」からなんだとか。
なんという苗字事情。
というプチ情報はさておき、ガイドを選ばなくてはなりません。
まあとりあえず、ネット経由で問い合わせできるところにメールを送ってみて、OKだったところに決定。
こちらはスペシャルオレンジさんというところで、ホームページを見ていると御蔵島に移住してきた方のようだな、と。
旅程的に2回ツアーに行けそうだったので、じゃあ2回目は元々地元の人っぽいところに頼んでみようかな、ということで「広瀬という人は地元の確率が高いだろう」とあたりを付け、なんとなく直感で第五惣栄丸&吉栄丸さんに決めたのでした。
さてここでドルフィンスイムについて解説しておきましょう。
いるかと泳げる……と聞き、色々検索して出てくる写真を見ていると
「素敵……♪」
「いやされる……♪」
と、なんというかゆったりとたゆたえる素敵タイムが待ち構えているように想像しがちですが、そう上手くは行きません。
ドルフィンスイムはかなりハードな遊びです。
割と傾向としては体育会系のイベントです。
そして必要なのはシュノーケリングスキル、できれば素潜り(スキンダイビング)のスキル。
いわゆるダイビングのスキルは必要ありません、というかぶっちゃけそのスキルは使えません。
というのも、タンクを背負ってブクブクアワを出しながら移動するダイバーに、イルカは寄ってこないから。
フィンとマスクとシュノーケル、シュノーケリング三点セットを身に着けて、身一つで海に入って自力でイルカと泳ぐのがドルフィンスイムの実態。
このイメージと現実のマッチングが上手く行かず、ドルフィンスイム船の上で「もう何も信じられない」という表情で、死人のように横たわる参加者を、私は過去何回も見たことがあります(白目)。
御蔵島周辺に生息する百数十匹にのぼるミナミハンドウイルカ達は、確かに人懐っこい性質で、人間と遊んでくれる愉快な子たちです。
でも、野生の生き物である現実は動かし難く、その野生のイルカの生活空間に一瞬だけ混ぜてもらうということは、まさにその野生と向き合うということに他なりません。
御蔵島が「自然豊かな」ではなく「野生あふれる」島であるということを、ドルフィンスイムは最も突きつけてくるのです。
さて、今回ガイドをお願いしたスペシャルオレンジ船長の高畑さんは、ドルフィンスイム初体験者に、野生と向き合うことを事前にしっかり叩き込んでくれるタイプのガイドさんでした。
ドルフィンスイムに向かう前に、練習タイムがあるのです。
何を練習するかといえば、シュノーケリングの基礎。
マスクとシュノーケルとフィンをつけて、海で泳ぐ練習です。
この日はドルフィンスイムは午後、ということで午前中に練習をしました。
そして、ドルフィンスイム特有の重要事項があるので、とにかくそれが徹底されるのです。
ちなみにそれ、どこで練習するかなんですが……
御蔵島はこの通り、海に向かってストーンと落ちている島でして、浜というものはありません。
基本、崖からいきなり深い海。
島中だいたいこんな感じ。
怖いから。
そもそも子供が気軽に泳げるような海など無いんですね。
唯一あるのが、漁船用の港の防波堤で区切られた中。
この中で、船が入ってこない区域では泳いでいいことになっています。
ま、でもここも、大体3~5メートルぐらいの深さはありましたね。
こんなところで小一時間ほど、シュノーケリングの基礎、立泳ぎの基礎、ドルフィンスイムの備えをトレーニングされて、合格になった人のみこの後のドルフィンスイムに参加できる仕組みです。
合格できなかったら……?
残念ですが、船の上から見るだけになります。
泳ぐの禁止。
危ないから。
野生の環境に出るということは、命の危険レベルもアップするということ。
事故につながります。
自力で対処できる能力がないと判断されたら、お断りされるのも、御蔵島のいいところでもあり、厳しいところでもあります。
お客さんだからといって甘やかしはしないのです。
ただしその分、イルカと出会えた時、イルカと泳げた時、イルカと遊べた時の感動は、この上なく大きなもので、喜びもひとしおなのです。
そして、ハマるのです(笑)。
さて、この後はドルフィンスイムレポートへと続きます……
■「tokyo reporter 島旅&山旅」について■
東京都の観光PR事業の招待で、御蔵島の取材をしています。tokyo reporter島旅&山旅について詳しくはコチラ。
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